良書読感!革命に生涯を投じた『チェ・ゲバラ伝』

2014年2月7日金曜日

t f B! P L

南アメリカ大陸に生まれた革命家チェ・ゲバラ。彼の素晴らしい伝記である。

南アメリカ大陸は常に革命という名のクーデターが起き、1年以上続く大統領が非常に珍しい国々ばかりの大陸だ。その原因は国民の貧窮にある。国土は豊富な資源に恵まれているにも関わらず、その資源の大半を北アメリカ(米国)の搾取され続けているのである。


“ラテン・アメリカは収奪されている大陸である”
“ユナイテッド・フルーツ会社の大株主は、時の国務長官ジョン・フォスター・ダレスであり、CIAの長官は、その弟のアレン・ダレスだった”


ユナイテッド・フルーツ会社は1952年時点で、グアテマラの農地の70%を所有していた独占企業だ。当時の米国は、その大株主が国務長官を務めているような帝国主義の国であった。

この帝国主義の鎖から解き放たれるには、銃を持ち、武器を手に取ることでしか達成し得ないと信じ、それを実行してきたのがチェ・ゲバラである。


“われわれ人類は多くの革命家をもったが、かれを除くすべての革命家は、いったん革命が成就すると、二度と兵士になって銃をとることはしなかった。むしろ、その多くは自己の権力を守るために汲々とした”


チェ・ゲバラが唯一無二の存在であるのは、革命家として生き、革命家として死んだことが理由である。普通の革命家は、革命が成就した後、権力に溺れる。チェ・ゲバラはキューバ革命が成功した後、工業省の大臣という職を捨てて、ボリビアの一革命兵士として戦場に戻っていく。


“人類の運命が賭けられているとき、一個人や一国家の危険とか犠牲とかが何だというのだろう”


現在でも多くの人がチェ・ゲバラの魅力に心を打たれるのは、革命に対するロマンティシズムと、純粋な生き方によるものだろう。

この伝記は多くの現地取材によって成り立っているように見受けられる。チェ・ゲバラの生きた時代背景、そして彼の生き方に触れられる素晴らしい伝記だ。


チェ・ゲバラ伝 (文春文庫 121-1)

このブログを検索

注目の投稿

「龍角散ののど飴」について、知っておくべき事。

今日、のどの調子が悪くて、のど飴を買いに行った。 僕がよく買うのは「龍角散ののど飴」。 最初の写真のやつだ。 どこにでも置いてある一般的な飴だ。 あのハーブの味が、ちょっと美味しくないけど、 のどに効いている!感じがして、癖になるんだよね。 今日も...

QooQ